撮影:井島正人

思いやりのデザイン_01

とうとう見つけました!

以前から、「右用」と「左用」それと『右用を我慢して左手で使用してきた人用』の鋏(何ともややこしい)があるとの噂は聞いていました。最近では薄れてきたかもしれませんが、4半世紀前は左利きはマイノリティー。肩身の狭い思いをしていました。運動具や工具類では左利き用が無い物も多く、親も大人になって困らないようにと右利きに無理矢理矯正したものでした。特に刃物類は利き手に大きく左右される道具で、切り出し小刀などは、右利き用を左手で使うと刃が食い込んで抜けてくれません。

写真は「庄三郎」という老舗メーカの「足左型」という右用鋏を左手で長年使用してきた「隠れ左利き」のための、何ともうれしい人間臭いデザインです。うれしいことに、今も作リ続けられています。

田口英紀

プロダクトデザイナー

未来デザイン 主宰者

桑沢デザイン研究所と日本デザイン福祉専門学校(旧称日本デザインスクール)にて学ぶ。在学中にプロダクトデザイン事務所のデザイン・アシスタントとして働いて以来、プロダクトデザイン一筋で様々な分野での製品開発に関わってきた。

卒業後、時計メーカーに移籍し最先端のデザイン開発に従事した後、仲間と共にスタツフデザインアソシエイツを設立。プロダクトデザインやデザインコンサルティングを長年に渡り手がけてきている。

プロダクトデザインの新しい地平を切り開くべく、現在も様々な分野に挑戦している。2014年には、デザインの力と町工場の製造力を繋げるため、未来デザインの前身となる「デザイン講座」を立ち上げた。2020年春には、京都芸大通信教育部に入学。

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